新刊紹介
船の料理人が選ぶ和食の定番
商船三井船船部著
広報宝編

船員にとって食事は航海中の大きな楽しみである。待に日本人船員にとっては、美味しい和食を食べたいというのが当然の願いである。外国航路の船舶や遠洋漁業に従事する漁船の多くで日本人船員と外国人船員との混乗が一般化した昨今では、司厨部は外国人というのがほとんどで、食卓に和食ののぼることが少ない傾向にある。そのため日本人船員の食事に関する不満の声が多い実態にある。
そこで本書では、刺し身やおでんなど船の日本人料理人の選りすぐりの和食を和英対訳で編集し、外国人にもわかりやすくその作り方を説明している。
献立数三〇パターン、品数一一四種類におよぶ豊富な和食メニューの作り方を、日本語独特の表現には図を用いるなどして詳細に解説を加え、また各献立ごとにカラー写真を付け、盛りつけ方など、ひとめで料理のイメージがわかるようになっている。
さらに、それぞれの料理にはカロリー値を表示し、カロリーコントロールにも重宝する。和英でインデックスできる便利な献立索引もついていて実用的である。
今や国際的にも健康食として注目されている和食の料理法を和英対訳で扱った本書は、船員同士のコミュニケーションを活発にするとともに、在日外国人をはじめとした一般家庭でも大いに役立つ一冊である。
(B5判 カラー版 一三四頁定価三、五〇〇円送料三九〇円発行所(株)成山堂書店)
生きるための海
−海のサバイバルー
野間寅美著
「生きるための海」が、新たに四訂版として出版された。海上保安官として海の遭難を見続けてきた著者が、海難事故からの生還者と、不運な最期を遂げた人々の記録を、事実に基づいて読み物に構成したものである。
内容は、海難事故の悲惨な話を淡々と平易に記述した第一部とともに、実体験に基づいた海のサバイバル法についても第二部にまとめられており、これも魅力の一因であろう。
海の遭難を通じて、危機に臨む心構えを探る一冊といえよう。
(成山堂書店 千八百円)

東京国際ボートショーに出展
第36回東京国際ボートショーは、二月七日から十一日までの五日間、東京ビックサイト(東京国際展示場)で開かれる。
このボートショーは、(社)日本舟艇工業会の主催、運輸省と東京都の後援によるもので開催時間は、七日は正午〜十九時まで、八日から十日は十時〜十九時まで、十一日は十時〜十七時まで。
当協会は、日本財団の補助事業一海難防止・海洋汚染防止の周知宣伝事業)の一環として、本年も「人と海に未来を」を主テーマとして「海と安全コーナー」を開設し、一般市民および海事関係者に海上安全と海洋環境保全思想の普及を図るため、パンフレットやテレホンカード等の配付、ビデオ映画の上映、アンケート調査などを行う。
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